シン・エヴァンゲリオンでエヴァンゲリオンシリーズの完結迎えました。
TV・旧劇場版と新劇場版は同じようでいて舞台設定やキャラクターが違います。その中でも一番といっていい違いはアスカではないかと思います。
シン・エヴァにて明かされたアスカの秘密
アスカを中心にエヴァンゲリオン新劇場版について考えてみたいと思います。
惣流・アスカ・ラングレーから式波・アスカ・ラングレーに
エヴァンゲリオンにおけるキーキャラクターのひとり、惣流・アスカ・ラングレー
新劇場版においてアスカのTV・旧劇場版との違いをざっとあげると
- 「惣流」から「式波」に変更
- ユーロ空軍の所属、階級は大尉
- 性格:勝気な性格は変わっていないが社交的な面は消え独りでいる事が多くなった
- 携帯ゲームをずっとしている
- 加持リョウジに憧れていない
- 綾波レイと少し歩み寄るようになった
- 3号機のテストパイロットになる
- 母親がいなくなった
新劇場版におけるアスカの正体はクローンだった
シン・エヴァでは「式波」についての正体が明かされました。
「式波アスカ」とは、EVAパイロットおよび補完計画のために造られたクローン人間「シキナミシリーズ」
そのため、両親はいなく母親に関するトラウマも無くなっています。EVAに乗るためだけに存在するという強迫観念が強く存在意義になっています。
TV・旧劇場版の惣流・アスカ・ラングレーとは別人と言ってもいいでしょう。
アスカの名前が「惣流」から「式波」になった理由とは、TV・旧劇場版の惣流アスカとは別人物という事だったという事だったのではないでしょうか。
なぜアスカはケンケンと結ばれた?
シン・エヴァにおいては、アスカの正体よりも衝撃的な事があります。
それは、相田ケンスケとの関係
「第3村」で再開したかつての同級生たち
鈴原トウジと委員長(鈴原ヒカリ)が結婚して子供ができていた事がかすむほどの衝撃ではなかったでしょうか?
シンジがトウジの家からケンスケの家に着いたときアスカは裸でした。アスカの裸にも何の反応も見せなかったシンジとは対照的にケンスケはそっとタオルを掛けてあげます。大人になったな。と思った頭の片隅に違和感を感じます。アスカのDSSチョーカーを見て吐いてしまうシンジをしり目に違和感の正体が判明します。それはアスカがケンスケを「ケンケン」と呼んでいること。なんだ2人はどういう関係なのだろうとシンジの状態よりも気になってしまいます。
終盤、シンジによって救済される場面では、アスカの正体と共に内面の心情が吐露されます。その中でアスカは一人でもいられる強さを得るために自分を鍛えてきていました、でも本当に求めていたものは、褒めて欲しい。認めて欲しい。居場所を与えて欲しい。ホントは頭をなでて欲しかっただけというものでした。
泣いているアスカに着ぐるみから出て来たケンスケはアスカを認め、アスカの頭を頭を撫でてあげます。
場面が変わり、砂浜で横になるアスカにシンジは「僕もアスカが好きだったよ。」と告白します。後ろを向き照れるアスカの背に別れを告げ「ケンスケによろしく」とアスカをケンスケの元に送ります。
アスカとシンジ
TV・旧劇場版では、全ての人類が滅んだあとシンジとアスカのみが生き残るというでのラストでした。まるでアダムとイヴのように…。当然、シンジと結ばれるのはアスカという印象を持つファンは多いのではないでしょうか?
新劇場版に置いて、それが覆るターニングポイントは「破」における3号機の起動実験だと思います。
TV・旧劇場版での3号機の起動実験は、フォースチルドレンに選ばれた鈴原トウジ。使徒に寄生により暴走した3号機は、戦うことを躊躇したシンジに代わって強制的にダミープラグによって暴走した初号機に破壊されます。鈴原トウジはこの事が原因で右足を失うほどの大怪我をします、なおシンジはパイロットが鈴原トウジだという事を3号機を破壊するまで知りませんでした。
「破」での3号機の起動実験はアスカがになります。「破」においてもシンジに代わってダミープラグの初号機が破壊します。シンジは3号機のパイロットがアスカという事を知っていました。なおこの時点ではアスカの生死は不明です。「Q」での14年後になるまで視聴者もシンジもアスカの生死はわかりませんでした。
「Q」の14年後、アスカと再会したシンジは無事に生きているアスカを喜びますがアスカは怒りを見せます。
シン・エヴァで判明したシンジへの怒りの理由は
「アスカが3号機で暴走したとき、シンジが何も決めなかったから。助けることも。殺すことも。」
シンジは「破」でアスカの3号機の暴走事故の後、一度エヴァパイロットをやめますが、初めて自分の意志でエヴァに乗り、自分の意志でレイを助けようとします。そしてエヴァ初号機が覚醒して「ニアサードインパクト」が発生することになります。
アスカは助けなかったのに、レイは助けた。いや助けようとした。
「Q」でシンジと再会したアスカが発したセリフ「怒りと悲しみの累積」
アスカがはケンケンと結ばれた理由
結果シン・エヴァでは、アスカはケンスケと結ばれる事になります。
その理由は、アスカが求めている男性像は頭を撫でてくれる大人の男性
新劇場版においてアスカのTV・旧劇場版との違いの中にもありますが、新劇場版では何故か加持リョウジに憧れを持っていません。アスカが理想とする男性として一番に思い浮かばれるのは加持リョウジではないでしょうか?しかし加持はアスカの相手から外され、自分の責任負いたくなかったシンジは論外。
そうなった時に、14年の間に大人の男性として急成長した相田ケンスケは、見事にアスカの相手として大抜擢されたわけです。
TV・旧劇場版、新劇場版の初期においてアスカとケンスケの間には何も伏線はありません。あるとしたら漫画版くらいですが、意外な相手にびっくりした人の方が多いのではないでしょうか。