ファイブスター物語を知って約30年
今でも唯一の紙の単行本を買っている漫画本です。
今回の記事では自分が『ファイブスター物語』にハマったきっかけを書いていこうと思います。
スパロボでエルガイムと出会う
最初の入口は、スーパーロボット大戦でした。
当時、スパロボにはいろんな作品のロボットが入り乱れていましたが、
その中で明らかに「空気が違う」機体がありました。それが『重戦機エルガイム』のヘビーメタルたちです。
ガンダムやゲッターとは明らかに違う、細身でシャープなシルエット。
デザインの情報量が異常に多いのに、なぜかまとまって見える。
「なんだこれ……」
画面を見ながら、その違和感がずっと頭に残り続けていました。
永野護という人物――実はガンダムも作っていた
エルガイムにハマっていく中で、だんだん「永野護」という名前を意識するようになっていきました。
そして調べていくうちに、衝撃の事実を知ることになります。
好きだったガンダムのMSを、デザインしていたのが永野護
リック・ディアス
あの渋くて重厚感のある赤いMS。
特にキュベレイは初めて見た時に衝撃を受けました。
百式
実際はラフのみ?
ハンブラビ
何故か突然出てきたエイ。
キュベレイ
ハマーン・カーンが乗る、あの異形の美しさを持つ機体。特にキュベレイは初めて見た時に衝撃を受けました。
ファイブスター物語にもキュベレイ出てきましたね(笑)。キチンとファンネルも使ってました。
これらZガンダムの中でも特徴的な機体をデザインしていたのが永野護先生。
永野護先生はZガンダムの制作当初、富野由悠季監督にメイン・デザイナーとして指名されていたことがわかりました。
しかしスポンサーなどとの衝突から早々に降板することになり、
リック・ディアスやキュベレイといった一部の機体だけが残る形になったのです。
天才と呼ばれながら、組織とぶつかり続けた人。
でもその「ぶつかった痕跡」が、Zガンダムで最も個性的な機体として残っている。
そういう人が作ったのが、エルガイムであり、FSSだったんです。
この事実を知った時、
エルガイムやFSSのメカが「他と違う」と感じていた理由が、
ようやく腑に落ちた気がしました。
あの違和感は、正しかった。
エルガイム本編をビデオで全話追いかける
「もっと知りたい」という気持ちが抑えられなくなって、
ビデオレンタルで全話観ることにしました。
今みたいに配信なんてない時代です。
一本ずつ借りて、少しずつ追いかける形。
旧作は100円で借りられたので一気に全話見ました。
観ていくうちに、エルガイムという作品の熱量がじわじわ伝わってきました。
主人公ダバ・マイロードの旅路、
ポセイダル支配への抵抗、
個性的なキャラクターたち。
決して完璧な作品ではないけれど、
何か「核」のようなものが確かにある、という感覚。
ただ、全話観終えても、あの違和感だけはずっと残っていました。
「スパロボのラスボス……ブラッドテンプルが、本編に出てこない」
ブラッドテンプルという存在
スパロボで兎に角硬くて倒すのに苦労した苦しめたあの機体。
細身なのに異常な存在感。
異質すぎるシルエット。
他のどのHMとも違う神秘的な空気をまとった機体が、
エルガイム本編には一切登場しないんです。
「スパロボオリジナル?」
最初はそう思いました。
でも調べていくと、全然違う事実が出てきた。
ブラッドテンプルは、永野護がエルガイムの制作時期に
「これが自分の最高傑作だ」と構想していたHMで、
アニメスタッフに配られた設定資料にも描かれていた存在。
それでも、本編には意図的に出さなかった。
なぜなら――
後に作る『ファイブスター物語』のために温存していたから、というわけです。
そのデザインが源流となり、
FSSにおいてL.E.D.ミラージュが生まれました。
「LED」はREDではなく、LEADの過去分詞で「常に先を行くもの」を意味します。
自分がスパロボで「これだけ違う」と感じたあの機体は、
最初からFSSへ繋がる流れの上にあったんです。
L.E.D.ミラージュという存在の異常さ
FSSを読み始めて知った事実がまた衝撃でした。
L.E.D.ミラージュは物語の開始から終了まで不敗。
星団暦で姿を現したのはわずか7回で、一度も敗北を喫していない。
さらに驚いたのがその設定の深さです。
元々「破壊と殺戮」を本能としており、
騎乗する騎士とファティマは操縦者などではなく、
その本能を押さえ込むための安全装置に過ぎない、とされています。
これが、あのブラッドテンプルが進化した存在なのか……
そう思うと、スパロボで感じた「ただならぬ気配」の正体が、
ようやく腑に落ちた気がしました。
ファイブスター物語にたどり着く
そして辿り着いたのが『ファイブスター物語』。
当時の最新刊は7巻。
舞台はジョーカー太陽星団と呼ばれる星系で、極めて発達しつつも緩やかに衰退を始めている人類文明が存在するという世界観です。
読み始めた当初は、エルガイムの延長を探していました。
似たデザイン、共通する空気、繋がりを感じる何か。
そういうものを無意識に追いかけていたと思います。
でも読み進めるうちに気づきます。
これはエルガイムの「続き」じゃない。
全く別の、完成された世界だと。
騎士とファティマの関係性、
国家間の政治、
時間すら歪む物語構造……
読んでいて「理解できた」という感覚がほとんどない。
なのに面白い。
ページをめくる手が止まらない。
この感覚がどんどん深みに引き込んでいきました。
FSSという作品の「異常さ」
FSSは1986年から月刊ニュータイプで連載が始まり、今や40年近く続くロングセラー。
最初に驚くのはこれからおこる年表が公開されている事。
40年経った今…年表全てが書かれる事はないだろうなと…
エルガイムから入った私が、1番見たいのはやっぱり4000年代のファイブスター版エルガイム。
コーラス6世は活躍は見れなさそうな雰囲気ですね…
永野護先生自身は「SF」ではなく「おとぎ話」と公言しています。
さらに2013年の連載再開時には、
それまでモーターヘッドと呼ばれていたロボットが
ゴティックメード(GTM)へと名称ごと変更されるという
大規模な設定改変が行われ、多くの読者を驚かせました。
設定が変わっても、デザインが変わっても、読者がついてくる。
それがFSSという作品の恐ろしいところだと思います。
まとめ――この作品は「付き合っていくもの」
スパロボ → エルガイム → 永野護という人物を知る → ブラッドテンプルの謎 → FSS
こうして振り返ると、全部一本の糸で繋がっていたんだなと改めて感じます。
最初は「エルガイムの続き」を探していたのに、
気づいたら全く別の沼にはまっていた。
今思うのは、
FSSは「理解するもの」ではなく「付き合っていくもの」だということ。
設定を全部把握しようとしなくていい。
年表を完璧に覚えなくていい。
ただページをめくっていれば、いつの間にかこの世界の住人になっている。
だからこそ長く楽しめるし、気づけば抜け出せなくなっている。
あのスパロボで「なんか違うな」と感じた違和感が、
こんな深い場所に繋がっていたとは思いもしませんでした。
このブログでは今後、
月刊ニュータイプに掲載されているファイブスター物語の
最新話のネタバレ・感想・考察を中心に書いていく予定です。
「あの展開どういう意味だ?」
「伏線?それとも設定変更?」
そういうことを一緒に考えていける場所にしていきたいと思っています。
FSSファンの方も、これから読んでみようかなという方も、
またのぞいてみてください。